2008年6月2日月曜日

№92)Warning bell Nordic walking. 「ノルディックウォーキング」に警鐘を鳴らす

       ラングラウフのマーク



近年、フィンランド国市民の間でスキーストックを使って歩くリクレーション活動が盛んになり、それをこの国の市民は誰からということもなく母国語でsauvakävely サウヴァカヴェリュと呼んできました。この言葉前半のsauvaは日本語で「ストック」、後半の kävelyは「ウォーキング」という意味です。母国フィンランドのスオミ語によるウィキペディア(下記のURL参照)を見ると、そこにはNordic Walkingという言葉はなく、ローマ字読みの発音が近いといわれるもっぱらサウヴァカヴェリュだけですね。とにかくエクセル社というスキー用品メーカーはそれを見てスキーストックをウォーキング用に改良し、スオミ語のsauvakävelyではなくNordic Walkerとネーミングし、それまでの経験による独自の運動理論を合わせもってこれを輸出し頒布することとした。ところがノルディックスキーという名称は既にアルペンスキーと並んで2分するその言葉が世界の人々には知られておりましたのでこれが各国に受け入れられそのまま広まったというわけであります。私はこの役割を果したフィンランドの人々とエクセル社に、心よりの敬意を表す者の一人であります。
そのURL ↓ フィンランド語ウィキペディア。
http://fi.wikipedia.org/wiki/Sauvak%C3%A4vely


このようにノルディックウォーキングは、およそいまから約十年前に始まりましたが、徐々に世界に飛び火し誰もこれを疑うこともなくそのまま流行していったというわけですね。一方アメリカではそれ以前にExerstriding (エクサストライディング)という独自のネーミングでやはりスキーストックを使ったウォーキング・ムーブメントがあった。現在ではこのエクサストライダー社はノーストラップ(ストラップの危険性排除)を特徴としてその活動を続けています。日本では遡ることその十年ほど前、既に「ストック歩行法」というダブルストックによる歩き方が特許申請で公開され、以来誰でも閲覧できることとなった。一方、主にアルペンスキー・ストックのメーカーであったレキ社は、フィットトレック(FITTREK)という名称で、ドイツを発信拠点に活動が見られました。が、何故か後にレキ社はこの名称をノルディックウォーキングに変更する。このFITTREKという名称だけは現在北米を拠点にその活動が見られるが、それがどういう理由によるものかはいまのところ私には知るすべがない。

余談ですがここで私が思うに、もし、もしドイツのレキ社がその商品をそのままフィットトレックと称して活動していたらならば、ノルディックウォーキングとともにいい意味でライバル関係が出来て競争は熾烈になり、もっと望ましいテンポの発展がなされその進化の速度が高かったかもしれませんね? 何故ならば私はラングラウフ(langlauf)という名称の、平地をスキー歩きするいわば英語で言うクロスカントリースキーが、ドイツ語圏で伝統をもって今も昔も楽しまれ、市民スポーツとして発展してきている。それはフィンランドのsauvakävely [サウヴァカヴェリュ]とは関係なく別個のものでみんなが参加し盛んであるとも聞き及びます。ですからノルディックウォーキングが現在ドイツ語圏で最も流行している背景にはそのことが大きいのではないかと私は見ているのですけれどもね。
参考ビディオ:
http://jp.youtube.com/watch?v=-ODPo1UxpEo


而して、これらの経緯を時系列に概観して見ると、ある意味これはまだ始まったばかりのウォーキング・ムーブメントであって、まだ誰の手においてもまた社会的に影響のある検証を通過しての運動理論となったのだ、とはいえませんよね。まだ仮説段階の、それはおよそ実験的な、未完成レベルのウォーキング・ムーブメントであるという事を示している、のではないではないか。

何はともあれ、いわゆるNordic Walkingというものは、単にエクセル社という企業がはじめた商業活動とそのための組織なのであって、その運動理論はまだ検証されていない。それを世界の関係者がそのまま無批判に受け入れてしまっては著しく危険である。のみならずウォーキング・ムーブメント発展の障害となる。だからどうしても進化させなければならないと私はこのブログにおきまして一貫して警鐘を鳴らしているのであります。
具体的にはこれがウォーキング・ムーブメントである以上、身体の安全に配慮し市街地ではストラップを外す必要があること。作用反作用の法則で推進力を得るのがこの運動の根拠であるからには、グリップの角度は変えあくまでも水平でなければ手首に傷害がうまれること。ストックのシャフト角度が低ければ低いほど、推進力が強まりもってして無駄な動きが無くなること。ストック先端は摩擦抵抗力が最大になる車輪とする設計。アスファルト適応型に進化させることがウォーキング・ムーブメントにとって望ましいこと。等々をこれまでこのブログを通して建設的に提案してまいりました。

事実、昨年あたりからエクセル社やレキ社の活動とはまた違った別の設計思想によるストック&ポールが出現してきております。今般それらを閲覧に便利なようにここに一覧に列記してみますが、テーマによっては同じ内容が何回も出てきますので、どうかそれはご勘弁いただきとうございます。

進化の兆し警鐘の項目
2008年1月17日→№1)ノルディックウォーキングのポールを検証する
2008年1月20日→
№3)アメリカでは既にストラップを外していますね!
2008年1月22日→
№6)ノルディックウォーキングは「四足歩行」、同時に「ストック漕ぎ歩き」でもある
2008年1月23日→
№7)ストックに車輪のノルディックウォーキング
2008年2月28日→
№28)ノルディック・ストックウォーキングの試作品解説
2008年3月 4日→
№32)ノルディックウォーキングの進化のために市街地ではストラップを外して歩こう!!!
2008年3月 5日→
№33)ノルディックウォーキングのポールを曲げると解決する
2008年3月 8日→
№37)1986年に特許出願された「ストック歩行法」を閲覧する方法
2008年3月10日→
№38)ノルディック・ストックウォーキング関係の特許出願を検索する簡単な方法
2008年3月13日→
№41)Why Don't Exerstrider Poles Have Straps?
2008年3月19日→
№44)This my designed, and is nordic walking pole with a strong impellent.
2008年4月 1日→
№56)ノルディック・ストックウォーキングの戦略的特性と停滞の原因
2008年4月 4日→
№60)四肢歩行のストックウォーキング→Wheel Cycle Walking
2008年4月10日→
№63)バイオニクスから見たノルディック・ストックは義肢である
2008年5月 1日→
№73)これが進化のノルディックウォーキングストックのポール
2008年5月 2日→
№74)ノルディック・ストックウォーキングとbâton
2008年5月 3日→
№75)It is trekking pole, this is an evolving.
2008年5月 5日→
№76)As for PACERPOLE, does innovation to nordic walking!!!







♪♪♪  進化→ノルディック・ストックウォーキングは発展!!!











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