2008年3月20日木曜日

№46)ノルディックウォーキングにおけるストラップの作用

アメリカ人であるTom Rutlin 、彼もクロスカントリースキーを基に開発してきたのがExerstriderだと言っている。

今やヨーロッパでもアメリカでも世界中にそれが受け売りされてしまい、人々は疑うことなくそう信じているわけですね。ではメーカーとしての彼らは本当にクロスカントリースキーを研究したことがあるのでしょうか。それが力学的にいったいどのような作用で、身体が雪面を移動しているのかを調べたことがあるのでしょうか? 

クロスカントリースキーに限らず、平地をスキーストックで移動する場合、ストック&ポールの雪面に対する角度に注目してみましよう。まず、身体を腰から折り曲げて、膝も曲げる。肘も曲げますよね。何故かと言えば、それはすべてストック&ポールの角度を雪面にできるだけ低く、水平に後方をキックするための動作なのですね。ですから手の位置も低ければ低いほどよりスピードが得られる。もっともポールを突き刺すときだけは角度が高いですが瞬時に身体が移動し低くなります。よくクロスカントリースキー競技のゴール・フィニッシュで、選手が猛烈にダッシュしているときに両手で思いっきり雪面近くを漕いでいる映像が流れますがあれです。

ここでクロカンスキー部・NTT東日本の映像をご紹介いたします。
http://www1.nagano-ngn.ed.jp/vod/html/jtcros13/index.html

このようにストック&ポールの角度は、低ければ低いほど強い推進力が得られるのです。どれも力学でいう作用反作用の法則で動くのですから、水平に後方をキックすれば無駄なく前への推進力に置き換えることができるのです。つまりは、雪面であれ路面であれ水面であれ空中であれ、みなそれは同じことなのです。

ノルディックウォーキングも、真っ直ぐな棒を使っているかぎりその法則からは逃れられない。真っ直ぐなポールを斜め下に突けばどうなるか? 答えは→斜め上への反作用で身体が浮いてしまいます。だから、だからここで着けたくはないがどうしてもストラップ&グローブが必要となってくる理由がある。

では、ストラップの作用とはどのようなものなのか? この問題にいままでどのメーカーも解説していませんね。ただ、メーカーもインストラクターも、指導するときには、「最後にポールを持つ手を離して、手をパーにするのが正しいノルディックウォーキング」と、教えます。「そして手を前に戻しながらまた瞬時に握るテクニック」。まるで手品のようではないですか!!!

これをわかりやすく解説させていただきます。

つまり、ノルディックウォーキングのポールは真っ直ぐなので、そのまま斜め後方を突くと身体が斜め上に持ち上がる、が、それは避けたい。で、それを避けるためには先ずポールから手を離さなければならない。幸いストラップ&グローブの紐はポールに繋がっていて、その接点(これはほんとに点そのもの)を使い、できるだけ水平に後方に押しやって推進力を得る。これがストラップ・テクニックの真骨頂なのであります。

ですからベテランの域に達すると、ほとんどポールのグリップを握ることなくウォークします。その方がのべつ幕無しに推進力が得られるのですからメーカーはそのように指導するべきではないでしょうか? 「ポールのグリップは握らず、離せば推進力が得られる」とでも教えたほうがわかりやすいと思いますね。現状では一般のユーザーにとてもわかりにくく、それを高度で奥深いなどと頓珍漢なとらえ方をされている。そうでなくともノルディックウォーキンはけっこう難しいのものだと勘違いされている現状があるのだ。


つづく


♪♪♪ 私はそう考えますが、みなさまはどのようにお考えでしょうか???



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