19日中の電源復旧目指す…放射線徐々に減少(2011年3月19日13時34分 読売新聞)
東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所では19日、原子炉格納容器が損傷している恐れのある2号機の冷却機能回復を目指し、外部からの送電線を引き込み接続する作業が夜通しで行われた。
東電は同日中の電源復旧を目指している。同日未明には、使用済み核燃料の一時貯蔵プールが危険な状況にある3号機に対し、東京消防庁の緊急消防援助隊が放水を行った。最悪の事態を避ける懸命の努力が続いている。
電源復旧に向けた工事は、1、2号機と3、4号機、そして5、6号機の3系統に分けて進行。2号機を優先して行われている。
18日に、配電設備を搭載した車を1号機の近くに配備。この配電設備から、2号機タービン建屋にある配電盤兼変圧器までケーブルを接続した。19日は未明から敷地内に約1・5キロのケーブルを敷設している。
一方、6号機では、2台目の非常用ディーゼル発電機が19日早朝に回復。この電源を使って5号機の使用済み核燃料一時貯蔵プールの熱交換器を動かし、貯蔵プールの温度は約1度下がった。また、5、6号機では18日までに水素爆発を防ぐための穴を建屋の屋根に開けた。
3、4号機は配電設備車2台を配備。19日は断線した高圧線の復旧と、4号機の変圧器兼配電盤までのケーブル敷設作業を行う。
東電によると、1、2、5、6号機は19日中、3、4号機は20日をメドに復旧をめざしている。
同原発は、1~3号機の原子炉圧力容器内の水位が低い状態が続き、核燃料棒の一部は依然露出しているとみられる。4号機は貯蔵プールの冷却水が高温になり、水位低下で燃料棒がむき出しになる危険がある。
経済産業省原子力安全・保安院によると、原発敷地内の放射線量は、18日午後5時に、3号機から北西に約0・5キロ・メートル離れた事務本館北で毎時5000マイクロ・シーベルトを超えたが、19日午前1時50分、約6割の毎時3181マイクロ・シーベルトまで減った。
緊急時の作業員に例外的に認められる被曝(ひばく)の上限値250ミリ・シーベルト(25万マイクロ・シーベルト)よりは低いが、高いレベルであることは変わりなく、原子炉建屋に人が近づく作業は困難が予想される。
3号機から西に1・1キロ・メートル離れた西門付近では19日午前8時10分に毎時830・8マイクロ・シーベルトに上がったが、同9時には同364・5マイクロ・シーベルトに下がった。
(2011年3月19日13時34分 読売新聞)
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