2009年12月4日金曜日

ナンバー216) エクセルの新商品を検証する

             エクセル・インラインスケートより

ノルディックウォーキングの先輩はクロスカントリースキーである。が、ノルディック・ブラディング(nordic blading)という競技も同様である。下記URLでエクセルのホームページをみればわかるが、これはインライン・スケート靴を履き、両手にWストックを使い、先端の鋭い金属爪を、アスファルトなどに鋭く突き刺しながら加速を楽しむスポーツである。

http://www.exelpoles.com/portal/fi/nordic_blading/

http://blading.at.webry.info/200510/article_9.html

このノルディック・ブラディングの大会では、選手のゴーグル着用が義務付けられる。なぜならば競技者がストック(ポール)で失明する恐れがあるからだ。ヘルメット、肘と膝のガードも必須事項である。だがしかし、それほどまでに危険なスポーツであっても、そのスピード感はまたプレイヤーにとっては格別なものらしく、ヨーロッパでは人気があるようだ。このインライン・スケート靴のメーカーは下記URLに詳しく載っている。

http://www.skates.com/inline-skates-s/16.htm

ヨーロッパのストック&ポールの製造メーカー各社は、必ずこのノルディック・ブラディング・ストック(ポール)を製造する。が、この鋭い金属爪の設計をそのままノルディック・ウォーキング用のストック(ポール)に、実は応用してもいるのだ。このような危険なウォーキング用ギアは、我々の街ではけっして許されるものではないが、ヨーロッパでは堂々とこの鋭い爪でノルディックウォーキングをする姿がちょっと信じられないことであるが写真でもYouTube動画でも確認することが出来る。





ノルディックウォーキングにこれではさすがにまずいだろうということで、最近その金属爪を覆い隠すゴムチップスが開発され、それをエクセルのブランド名でヨーロッパでは既に販売されているのだ。商品名は「Exel Endurance Pad」である。

本日はそのゴムチップス(パッド)を検証してみよう。下記の写真はエクセル社の新しいモデルであるが、鋭い金属爪とゴムチップス(パッド)が並ぶのだから、その付属部品であることが証明される。


           エクセル・ストックとゴムチップス

しかし、ストック根元のストッパー(バスケット状)下から金属爪先端までの長さを、付属部品であるゴムチップス(パッド)の該当する箇所(金属爪の曲がった先の底辺)までの長さと比較する。両者の長さは、ほんのわずかな差しかないことに気づく。実際にストックに力を入れれば、ゴムは圧縮し中の鋭い金属爪はゴムチップス(パッド)を突き抜けることは自明である。それを類似形状の部品で実験しここに検証を試みた。

     新商品「Exel Endurance Pad」(拡大アップ)Y字の先→底部が金属爪先端が出る位置

私の実験では、体重を乗せると、プッチという音とともに床にピンホール状の穴が必ず開く。路面に穴が開くということは、他者に対しても危険が存在するわけで、そのようなウォーキングを想像するだけでも、その設計の方向性は誤りだ、と私ウエルネスウォーカーは考える。どうりでこのゴムパッドの底はのっぺりしているわけだ。何回実験しても穴は必ず開くので、その固定作用でストックの推進力を確保するという設計である。もしインドアーのリノリウムであれば、この穴から水が浸み込むのは必然である。ノルディックウォーキング部品が、危険回避という配慮に欠けるのは許せないと思う。

この新製品は見た目にはさりげなく、まったく危険を感じさせない新商品であるが、これは鋭い金属爪の危険性を隠蔽するものであり、偽装という言葉で私は憤りをもってこれを非難する。むしろ、鋭い金属爪にキャップを被せずむき出しにしているほうが、危険を回避するプレイヤーの意識が働き、同じ罪でもまだ少しは軽いのではないか

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このようなウォーキング・ストック先端部品の開発における、危険で誤った方向性を、他のメーカーが真似ることは、市民スポーツ・生涯スポーツを目指すノルディック・ストックウォーキング発展のために、ぜひとも避けていただきたい。と、私ウエルネスウォーカーは心から願う者である


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