救助と支援 被災者へ十分な生活物資を(3月14日付・読売社説)
今も寒さの中で、大勢の人たちが救助を待っている。大地震の発生から2日が過ぎた。救出を急がなくてはならない。
全国から警察や消防職員らが駆けつけた。政府は自衛隊の派遣を10万人に拡大する。
米国、韓国、シンガポールなど外国からの救助隊も続々と到着し被災地に入った。
建物屋上で孤立していた人たちがヘリで救出されたり、沖合15キロで漂流していた男性が2日ぶりに自衛艦に助けられるなど、救助の知らせが各地から入っている。
犠牲者は宮城県だけで1万人を超える、との見通しもある。だが今は、一人でも多くの救出に全力を尽くすべき時だ。
自宅や公共施設などに残っている人たちへは、十分な食料や薬などを届けてほしい。
各地の避難所でも、計30万人以上が身を寄せ合っている。
避難所だけで1日100万食近い食料が要る計算だ。パン、おにぎりなどが十分に届いていないという。給水車が未到着で、水の確保にも困る所が少なくない。
自治会組織の炊き出し支援なども行われているが、限界がある。食料や衣類など、生活物資を迅速かつ優先的に被災地へ送る態勢を確保しなければならない。
ライフラインも寸断された。13日夜も、東北地方などで150万戸以上が停電している。水道、ガスも各地でストップしている。復旧を急いでもらいたい。
原発事故の影響で、東京電力は管内の各地域で順番に電気を止める計画停電を実施する。
医療機関や、自宅で医療機器を用いて療養中の患者らに悪影響が出ないようにする必要がある。
これからは被災地でのボランティア活動が重要になってくる。阪神大震災や新潟県中越地震でも、避難所や各戸を回っての様々な支援活動が、大きな力となった。
政府は、災害ボランティアの総合調整をする首相補佐官に、NPO出身の辻元清美衆院議員を任命した。窓口を一本化し、被災地のニーズに合った計画的な派遣体制を作ることが求められる。
一刻も早く駆けつけたいという人が全国に大勢いるだろう。被災地に義援金を送る運動も一斉に始まった。
大災害から立ち直り、復興に至るまでの闘いが、長期戦になることは間違いない。国民全員で被災地を支えていくことが大切だ。
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