LEKI Trigger Systems
Shark Glove
Shark Strap
(改訂版)
広く知られるようにノルディックウォーキングという名称を世界中に流行らせたのは、エクセル社というフィンランドのスキーストック製造会社であります。その後ドイツのストック製造メーカーであるレキ社が、その積極的な販売戦術によりノルディックウォーキング・ポールにおけるリーディングカンパニーとなっている。いま中国ではエクセル社がマーケットを占有するがこの両者によってノルディックウォーキングの世界市場はシェアーされている、といっても過言ではないだろう。当ブログはそのような今日までの彼らの活動に本心から敬意を表すものである。
だがしかし、この2社ともその設計コンセプトの中心にストラップ&グローブ重視の戦略を選択しており、それを製品に取り入れかつ年々そのストラップの進化を図ってきた、という事実経緯がある。一方レキ社は、最新モデルにトリッガー・シ ステム(Trigger Systems)という本体を採用するに至った。付属部品名はシャーク・ストラップ(Shark Strap)、もしくはシャーク・グローブ(Shark Glove)と称し、このシステムがあたかも先進技術でいかにも便利であるかのように彼らは世界中に宣伝し販売する。 (Trigger Systems 動画参照 ↓ 最終行)
このようなノルディックウォーキング全般に強い影響のあるリーディングカンパニー両者の、ストラップ&グローブ偏重という設計戦略は、われわれプレイヤー(消費者)の立場から検証するとき、はたして正しい方向性をもった選択だったのであろうか。そこには大きな疑問が残るのである。これは今後のノルディックウォーキング、ポールウォーキング、ストックウォーキングの発展を左右する極めて重大な問題が存在しているのではないか?
ここにいみじくも当ブログ管理人ウエルネスウォーカーは、市街地で彼ら先行メーカーのストラップ付きストックを使った体験からそのコンセプトがまったくの誤りであり危険であると当初から指摘している。その詳細はこのブログをお読みいただいているみなさまはすでにご存知のとおりですが、その概略は、人身事故の危険があることばかりではなくストラップが腱鞘炎や靭帯損傷などの障害を発生させること。さらに重要なことはストック歩行の健康戦略である「運動習慣の獲得」という目的要素において、まさしくこのストラップが妨げとなっているからなのであります。
前述したこのトリッガー(Trigger)とは直訳で起爆装置の意味であるが、文字通り実はこれこそもっとも危険な「起爆装置」なのである。鮫の形状からシャークというこれまた危険な名称を付けたのは皮肉であるが、このシャーク・ストックを両手に縛り付けるのは健康のための運動に取り組む人々の心身をも縛り付けることにつながるのであります。おまけにストラップをマジックテープで両手首をビリビリと縛り付けるのはちょっと ! どう考えても間違った方向性だよ。手錠のようなものは手かせであり少し考えればスポーツとして間違った選択であるということが歴然としているのではないでしょうか?
しかも、トリッガーシステムが新しいもののように宣伝されワンタッチで外せるといっても、一方でカチカチっとしっかりロックしているのだから、いざというときには絶対に外れません。例え靱帯や関節は切れてもストラップは切れないのだから、市街地では極めて危険なのだ ! メーカーは便利さを強調するがその分危険はますます増大しているから危機管理の観点からもこれはなんとしても許せない装置だと思いますね、製造物責任法(せいぞうぶつせきにんほう)にも抵触するのではないか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%BD%E9%80%A0%E7%89%A9%E8%B2%AC%E4%BB%BB%E6%B3%95
そもそも「運動習慣の獲得」というのは、事前の準備を何も必要としないシンプルさが前提でなければならないと思う。ウォーキング、ランニング、体操はもとよりヨガや太極拳を見習うがいい。子供からお年寄りにいたる人々の安全と簡便さ、極めて安価であることを第一に追求することでなければならないはず。道具の方に身体を合わせた健康運動プログラムを作成していては駄目だろう。われわれはバイオテクノロジー、「人間に合わせた運動用具の開発」を望んでいるのである。
エクセル社もレキ社もメーカー各社はもうそろそろこのように偏向したストラップ依存の設計・開発は止めにして、ムーブメントとしてのノルディックウォーキング発展のために、運動習慣獲得そのものを重視するもっとしかるべき方法を選択し設計すべきだと当ブログは考える。
急激な経済成長を遂げる中国を含め先進諸国の運動不足病、生活習慣病はさらに深刻になるばかりである。このアンバランスな社会傾向もまたグローバライゼーション、世界的流行である。その解決のためには、過去半世紀にわたって実践・研究されてきたウォーキング体系という文化の延長線上にノルディックウォーキング・ポールウォーキ ング・ストックウォーキングなどの方向性をわれわれは考えて行かなければならないのではないか。これらを愛好する各界の熱心な議論と世界的な英知の結集こそいまもっとも必要なことと考えています。
参考URL:
http://www.youtube.com/user/LEKIUSA
http://www.youtube.com/watch?v=2o9MTmHgiXE&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=_3VIVlYNIv4&feature=related
Trigger Systems 動画参照
http://www.leki.de/422-Entwicklung.htm