現在の特許庁はパソコンによるデジタル出願が可能です。ただし私ウエルネスウォーカーが出願した時代の1986年当時まだアナログで手書きによるもの及びタイピングしたものという時代背景でした。そこで当時私は文章が苦手だったため(今も同じ)、富士通oasysの「先生」を使った記憶があります♪ なんと実に懐かしい時代ですよね~!!!
というわけで、その時代以前の特許庁・公開公報というものは、実は出願文書の原簿をマイクロフィルムに撮って公開し、後年PDFにしたものなのです。ですからこの時代以前~明治以来の検索はとてもとても不便ですよね。もし特許庁に予算があればOCRなんかでテキスト文書に変換することができると思いますが、昨今は「事業仕分け」というものもありますから、過去出願の検索が政治に理解されるかどうかという社会的問題です♪
なにしろ特許文書というのは普通の文章と違いまことにわかりにくい。でも特許というものは言葉が唯一無二の根拠になるのです。図面はあくまでも単なる例であって図は法的な確固とした証拠にはならない。そんなこんなでこのたび私の特許出願内容をテキストで浄書・変換しておこうとこの夏の宿題にしました。それが下記の「<公開特許公報/テキスト浄書版>ストックで歩行力を増進する運動法」であります(注:〇数字は割愛。図面は特許庁PDFからの転載)。
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<公開特許公報/テキスト浄書版>「ストックで歩行力を増進する運動法」
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日 本 国 特 許 庁(J P) 特 許 出 願 公 開
公 開 特 許 公 報 (A) 昭63-97179
Int.Cl. 4 識別記号 庁内整理番号 公開 昭和63年(1988) 4月27日
A 63 B 23/04 Z-6612-2C
69/18 D-6533-2C
69/36 6533-2C 審査請求 未請求 発明の数 1(全4頁)
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発明の名称 ストックで歩行力を増進する運動法
特 願 昭61-243070
出 願 昭61-(1986)10 月15日
発 明 者 村 雲 二郎 神奈川県相模原市上鶴間1941番地 B5-104
出 願 人 村 雲 二郎 神奈川県相模原市上鶴間1941番地 B5-104
明 細 書
1.発明の名称
ストックで歩行力を増進する運動法
2.特許請求の範囲
1 シャフト⑴の頭部に、角度を変えて接続した交換可能な柄⑵と、シャフト⑴の下部に、角度を変えて接続した交換可能な脚部⑶を持つストックで、歩行時に歩行する後方地面をキックし、後方に加圧し追しやりその反動で歩行幅を広くして前進するストックで歩行力を増進する運動法。
2 シャフト⑴が2~3に分割可能に形成されたものである特許請求の範囲第1項のストックで歩行力を増進する運動法。
3.発明の詳細な説明
(産業上の利用分野)
この発明は、歩行運動の際に使用する運動用具で、歩行幅を広くさせて歩行速度を増進させる目的を持ち、歩行時における下肢運動の負担を軽減させ、上肢ならびに身体上部の肉体運動を活発にするためのストックに関するものである。
(従来の技術)
最も手軽にできる運動法のひとつである歩行にあたり、従来は運動用具などの使用例は少なく、わずかに古来より杖(ステッキ)などが使われているにすぎない。杖(ステッキ)は、歩行ならびに直立時の助けに携える細長い1本の棒で、身体のバランスを支えるためと、歩行リズムを調え、装飾品としての役目をもったものである。この杖(ステッキ)は、歩行幅を広げて歩行速度を増進させたりするには不十分で、歩行時における下肢運動の負担を軽減させる効果は少ないものである。さらに上肢ならびに身体上部の運動を活発にするための充分な機能を発揮するは至らない。
参考例第2図にあげたこの杖(ステッキ)の作用は、柔軟性に乏しい細く長い棒⒜本体と、棒⒜の頭部に接続された柄⒝を持ち、下部に接続した石突き⒞で構成されたものを利用し、歩行するやや前方の地面に石突⒞をキックしながら前に歩き、手の力で身体下部の地面を加圧しながら身体のバランスを保つことに役立っている。しかし地面を加圧している手の力が棒⒜を通じて真上に近い角度から身体 重心前後の位置にある地面をキックし加圧しているため、加圧した反動力を前進力に置き換えるにはわずかな効果にとどまっている。もし身体重心の後方に角度を変えて追しやった場合には、柄⒝を持つ手の位置が不自然となり手や腕が疲れやすく、さらに石突⒞が地面をスリップしやすい。また棒⒜に柔軟性がないため、ばねの力を応用して手の振子運動を助けるまでに至らない。したがって歩幅を広くして歩行速度を増加させる目的には効果の少ないものである。
従来のスキーに使われるストックは、雪上面のみに使われているもので、通常の歩行にあたっては利用することができない。
(発明が解決しようとする問題点)
本案は以上のような問題点を解決するために細く長いシャフト⑴に弓なりになる柔軟性を持たせてそのばねの力を応用して手の振子運動を助けシャフト⑴に対し角度を変えた柄⑵を持たせてあるため手が歩行時の自然な姿勢で握れるようにしてあり上肢が長時間の運動にも疲労しない工夫がされシャフト⑴の下部に角度を変えた脚部⑶を取り付けてあるため後方への加圧が確実にできる。さらに脚部底に滑り止め⑹があり地面が平滑な状態や水や氷であっても摩擦力でスリップしない。
このストックを両手に持ち、歩行する身体重心の半歩後方近くの地面をキックし、加圧しながら身体重心の1歩半後方近くの地面まで追しやる運動を左右交互に繰り返し、その反動力を利用して歩幅を広くして歩き前進速度を増加させるストックで歩行力を増進させる運動法である。
これは本人がノルディックスキー術の運動法を研究してしている際にヒントを得たものである。
(問題点を解決するための手段)
これを第1図を使って説明すれば、⑴はシャフト、⑵は柄、⑶は脚部、⑷はひも、⑸はにぎり、⑹は滑り止め、である。
柄⑵ににぎり⑸が取り付けてあり地面に平行な角度であるため上肢の力をそのまま後方に追しやることができるので、歩行する際の手の振子運動の角度に逆らわず充分に力を入れることができる。
シャフト⑴は、身体重心から1歩半近く後方の地面をキックできる長さを持たせてあり、地面に対し45度近くの角度で考案されているため上肢からの力がシャフト⑴を伝わって身体重心後方半歩近くの地面をキックした後加圧して身体重心1歩半後方近くの地面まで追しやりその反動力を利用して歩行幅を広くして前進速度を増加させることができる。シャフト⑴は弓なりになる柔軟性を持たせてありストックが地面を加圧した際にシャフト⑴が弓なりになって力をためた状態となりストックを前に移動する際にばねの作用が働き上肢の振子運動を助けている。脚部⑶の底部は地面に対し平行の角度を持たせてあるためシャフト⑴が地面に対し45度近くの角度であってもスリップすることなく確実に加圧することができる。滑り止め⑹は運動靴のスパイク状となっているため路面の状態が平滑なものであったり水や氷で滑りやすい状態であっても摩擦力で滑りを防止することができる。
(作用)
第3図(イ)に示すように、歩行姿勢でこのストックを両手に握り、右手に握った柄⑵を歩行する身体前方に出し、右下肢は身体後方に位置させ、右ストックの脚部⑶を右下肢足部近くの地面にキックする。このとき左手に握ったストックの柄⑵は身体後方にさげ左下肢は身体前方に位置し、左ストック脚部⑶は身体重心の1歩半後方近くの地面にある。この姿勢から前進運動となり、第3図の(ロ)に示した一歩前進した姿勢となる。
この間の作用は、第3図(イ)の姿勢から右ストックの柄⑵を後方に加圧して後ろに追しやりながら右下肢を一歩前進させ左下肢に重心を移動しながら左ストック脚部⑶をあげて身体重心半歩後方近く前に移動し第3図(ロ)の姿勢となる。この姿勢から次に左ストックの柄⑵を後方に加圧し後ろに追しやりながら左下肢を一歩前進させ右下肢に重心を移動しながら右ストック脚部⑶をあげて身体重心半歩後方近く前に移動第3図(イ)の姿勢となる。同じ運動を交互に繰り返す。
実施にあたっては1本のストックを左右交互に使用することによっても上記の効果に近いものが得られる。また氷上や登山・ゴルフ場などにおいても利用できると同時に杖(ステッキ)としても使うことができる。
柄⑵は交換ができるようになっておりラジオ・時計・磁石・歩行計・寒暖計・カメラ・ライト・雨具、などの内蔵用部品が装着された柄⑵と交換できるので、歩行運動を楽しいものにすることができる。
脚部⑶は交換が可能となっており、歩行運動をする人の好みに合わせて、靴・動物の足・ゴルフクラブのヘッド・乗物・など多様な形状の脚部にすることができる。
シャフト⑴は2~3に分割可能なものと交換することができ、折りたたんで持ち運びに便利なものと伸縮自在なものを使用することができる。
(発明の効果)
以上のストックによる歩行運動法は、左右両上肢によって後方に加えた力の反動を利用して、歩幅を広くすることができるので歩行速度を増加させると同時に歩行時における下肢の運動負荷を軽減させ、上肢ならびに身体上部の肉体運動を活発にする効果が得られる。
従来、歩行運動における運動用具の利用の機会が少なかったが、このストックを使った歩行力を増進させる運動法の原理を応用することによって広く産業に応用することができる。
4.図面の簡単な説明
図は発明によるストックで歩行力を増進する運動法の実施例を示すもので、第1図は実施例の斜視図である。第2図は杖(ステッキ)の参考例の斜視図。第3図は作用を表した図である。
1‥‥シャフト 2‥‥柄 3‥‥脚部
4‥‥ひも 5‥‥にぎり 6‥‥滑り止め
⒜‥‥棒 ⒝‥‥柄 ⒞‥‥石突
特許出願人 村 雲 二 郎
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